About

文化服装学院を卒業して以来、ファッションの世界で二十余年。布と糸を通じて、服や小物を創造する日々を送ってきました。特に私が情熱を傾けているのは、一点物のハンドメイドアイテムと、日本の伝統を象徴する藍染襤褸生地のような素材へのこだわりです。

それは、着物や半纏、風呂敷、暖簾といった、かつて人々の生活の中で大切な役割を果たし、今はその使命を終えたかのように見えるモノたちを、新たな息吹を吹き込み、人々が再び喜びを感じられるアート作品へと生まれ変わらせるという使命感からです。

藍染襤褸の端切れを一つひとつ丁寧に貼り合わせて作り上げた布地は、まるで時の流れを物語るキャンバスのよう。それぞれの生地が持つ独自の表情、繊細な色の変化、そして触れたときに感じる温もりが、過去から紡がれてきた無数の物語を語りかけてきます。これらの作品を通じて、私の手からあなたの手へと、新たな物語が紡がれていくことを願っています。それぞれの端切れが持つ、深い物語と情感を感じ取り、このアートを通じて新たな喜びを見出していただければ、これ以上の幸せはありません。